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アヴァンティ 2008年 8月号

■「幸せに暮す条件って」

仕事の本拠地を博多に移すと決めて、小倉の事務所を譲ることにしました。小さな庭付きの淡いブルーとベージュのキッチンには沢山の楽しい思い出が詰まっています。幸運な仕事に恵まれた場所でもあります。有効に使って下さる方がいたらと心に念じていました。数ヶ月後に素敵な若いカップルが現れて思いが叶いました。先日「落ち着いたのでお食事でも」と彼らから招待のメールが届いたのです。ある土曜日の午後にスタッフと一緒に懐かしい部屋を訪ねました。部屋はきれいに整えられていて全体に若返ったように見えます。

若草色のテーブルクロスの上に準備されたスターターはアボカドのディップ、オレガノの香りのする野菜サラダにキュウリとニンジンのピクルス。飲み物は冷やしたジャスミンティ。ここまでは夫君の作品だそうです。大盛りのサラダが胃の中に収まる頃に湯気のたった大皿が運ばれて来ました。厚揚げとトマトにニョクマムのうま味がしみてほっぺたが落ちそう。メインは水餃子です。海老と豚肉、椎茸と豚肉、セロリと豚肉の組み合わせの3種類。
これは奥様のお得意料理だとか。デザートに小さなアップルパイと香り高いウーロン茶をいただいてお腹ははち切れそう。料理は全ておいしくて大満足でしたが、私が一番感動したのはご夫婦のチームワークの良さです。奥様がお茶を入れ始めると夫君がカップをさりげなく並べる。全てが自然で本当に居心地の良い時間を過ごしました。日本にもこういうカップルが増えて来たのは本当に嬉しいことです。

リタイアした夫が妻の作る食事をひたすら待ち、妻の方は夫の食事が気になって友だちと出かけるのもためらわれるなんて話を聞くとこちらまでつらくなります。夫の家事能力の無さを愚痴っているのに自分の息子に(娘にも)家事をさせようとしない人が多いのは不思議な気がします。これでは永遠に問題は解決しませんよね。
我が夫ですか?はい、更生しましたよ。55歳くらいからぼちぼち練習を初めて60歳の今では料理の腕前はかなりのものです。月に一度大量に仕込むカレーは私でもかなわない美味しさです。それを目当てのお客さまも増えて、そのつど夫はどんなアーティストにも負けない絶賛の言葉を浴びるのです。
私もいい気持ち。大げさでなく幸せってこういうことだとつくづく感じます。
回かなり毒を薄めて書きましたが読む人によっては胸にグサリとくるものがあってほしいと思うのですが・・・。