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2004年アヴァンティ10月号

■迷い多き夏休み

短い夏休みを、バリ島ですごしました。さすが、世界のリゾート地、ホテルのロビーやビーチを行き交うさまざまな言葉、肌の色、髪の色。思いっきり胸もお尻も露出させた服装で日光浴している人たち。日本に居るときと変わらない半端にラフな格好の私はなんだか浮いていました。生っ白くてプヨプヨして小さな私が日陰や木陰を選んで歩いている姿は変な生き物に見えたかも。今度行くときは胸やお尻は無理としてもお腹ぐらいは放り出したおおらかな服装で思いっきり陽を浴びようと心に誓ったのでした。
日本の若い女性のシミーズと便所のスリッパみたいな服装も、リゾート地なら素敵に見えるだろうと思いました。町中を半裸のごとき服装で歩くのもおバカならリゾート地を生真面目な格好で歩くのもそれ以上に間抜けでした。

「だから人のことはとやかく言わずほっときなさいと言ってるでしょ」と友人の小言を聞くまでもなく深く反省しつつ帰国した私でした。

ところが帰るやいなや、言わずにはおれないことが山盛り一杯胸いっぱい。あわてて乗った新幹線、気づいたらそこは喫煙車両。向こう側がかすむほどの煙で、狸がいぶし出されるように咳き込んで逃げ出しました。いつかヘビースモーカーの友人が「喫煙車両には煙くて乗りきらん」と勝手なことを言っていたのを納得。煙の中を逃げる途中目にした光景には唖然。赤ちゃんを抱いた母親や、小さな子供連れの家族が喫煙車両に座っているのです。大人になれば覚悟さえすれば自分の選択で行動できます。しかし子供達は親のなすがまま。タバコを吸う本人より、タバコの先から漂っている副流煙の方が毒性が強いと言うではありませんか。無責任なのか、ものを知らないのか、問いただす勇気はありませんでしたが、ずっと心に引っかかっています。

妊娠してもたばこやお酒をやめない人も意外と多いのだとか。「人の子供のことまで余計なお世話よ」と言われても勝手な服装や化粧をするのとはわけが違いますよね。子供はぬいぐるみや人形ではないのだから。「もっと考えて育てて」と訴えたいです。「人のことは干渉せずにほっておこう」「やっぱりほっとけないこともある」と心が迷った夏休みでした。
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