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2004年アヴァンティ5月号

■謙遜するほど偉くない

「謙遜するほど偉く無いから」と言い切ったのは、アヴァンティ編集長のキムさん。その時のシチュエーションは忘れてしまったけれど、「ほんとうにそーだね」と感服したのは私。

若い友人とすれ違いざまに「あら!コンニチハ!ステキなブラウスね」と誉めた。「有り難う」と笑顔を残して立ち去ると思っていたら、そこからが大変。立ち止まって「3年前に買った安物で、色が変で、今日うっかり着てしまって後悔していたんです」と、とめどがない。人の良い私は「そんな事ないわ、とっても綺麗な色じゃあないの」と念を入れてほめる。しかしそれで終わると思ったら大間違いで「最近太ったからピチピチで...」などと思い付く限りの謙遜をする。その辺で私は「あー誉めたりするんじゃあなかった」と後悔しはじめる。 謙遜って奥ゆかしいと思ったら大間違い!相手に何度もほめる事を強要することなんだって気がついた。年上の知り合いが誉めているのだから素直に受けるのが礼儀じゃあないのかしら。

笑顔で「有難う」と返して、誉めた人を気持よくさせて下さいよ。「誉めて貰って元気が出たわ」「迷ったのだけどこのブラウス着て良かった」なんて言われるとこちらも元気が出るから不思議なもの。人を誉めないのは心のケチだけど謙遜し過ぎは魂のケチ。
つい数日前、すらりとした美人が「この頃太って、この部分に変な線が出るから、やせないと」とジーパンの後ろの方をさすりながらため息をついた。「あなたが太っていると言うならば、私なんて生きていけないわ」と私はおどける。 彼女はほとんどえぐれているとしか思えないお腹をさすりながら「下腹は結構ポッコリ出てるの」と言う。よせばいいのに、「私は全身ポッコリと出ているんだけど」としつっこく言葉をかえしながら情けなくなっている。客観的にみればどちらもおバカよね。

先日、イギリス人の友人が息子さんを紹介する時に、名前の後に「彼はナイスガイなんだ」と付け加えた。「うーん本当にナイスガイ」と私も心の底からの相づちをうちましたよ。 今度人に息子を紹介する時に使おうと思っているけれど、「あの子には似合わない言葉かも」。おっといけない、一番してはいけない謙遜ですね。